超絶ミステリー 毎日1人以上が死亡 呪われた 「韓国」建設現場と欠陥が相次ぐ“理由”

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国際 韓国・北朝鮮 2020年9月26日掲載

www.dailyshincho.jp/article/2020/09260600/?all=1&page=1

地上123階「ロッテワールドタワー」は欠陥のオンパレード

 地上123階のロッテワールドタワーを支えるメガ柱8本に見つかった亀裂。しかし、建設会社はその原因究明を待たずに工事を続行。その後、事故が相次ぎ、少なからぬ人たちが亡くなり重軽傷を負っている。その他、歪みや変形、欠陥など日常茶飯事で、欠陥のない建物の方が珍しく、建設中の事故やトラブルも報道しきれないほど日常茶飯事なのだろう。

 昨年1年間、韓国の建設現場で428人が命を失った。毎日1人以上が死亡している計算だ。

 今年4月29日、首都圏の京畿道利川市で、建設中の物流倉庫で火災が発生し、38人が死亡、10人が重軽傷を負った。

 エレベーターの設置作業をしていた地下2階で火気使用作業中、断熱材のウレタンに火が燃え移り、大量の有毒ガスが発生した。

 火気作業中は、監視員を配置することになっているが、利川の現場は監視員を置かず、緊急時の退避路やスプリンクラーも設置されていなかった。

 現場には管理・監督者がいなかったが、韓国産業安全保健公団は書類審査と現場確認で「火災危険注意」「爆発危険注意」など、3回警告を出しながら条件付適正の診断を下して、工事の進行を認めていた。

 17年4月にオープンし、江南のランドマークとなったロッテワールドタワーはたびたび事故が起きている。
建設中のロッテワールドタワー

建設中のロッテワールドタワー(他の写真を見る)

 ロッテワールドタワーは、1998年に高さ143メートル、地上36階建で計画がスタートした後、地上123階、高さ555メートルに変更し、11年6月着工、14年5月の完成を予定した。

 12年10月、123階のビルを支えるメガ柱8本に亀裂が見つかった。ロッテ建設は亀裂が発生した原因の解明を待たずに工事を続行。

 ロッテ建設から依頼を受けた構造物診断業者は精密検査を行わず、目視と設計図面だけで問題ないという所見を提出した。

 13年6月には構造物が落下して作業員1人が死亡し、5人が負傷、10月には鉄パイプが落下して歩行者が怪我を負った。

 2014年2月には火災が発生した。ソウル市は火災現場となった47階から上階は工事中止命令を発令したが、46階以下は工事の続行を認めた。同4月、配管確認中の作業員が死亡した。

 ロッテは同年10月14日、完成していた低層階のショッピングモールをオープンし、同29日、天井からの落下物で買い物客が負傷した。
室内天井の構造物に亀裂、水族館で漏水、映画館で振動、周辺で道路陥没…
ロッテワールドのキャラクター

ロッテワールドを彩るキャラクター(他の写真を見る)

 ロッテワールドタワーは2000年に基礎工事に着手した後、建築に着手するまで11年の歳月を要している。ロッテの建設許可申請に空軍が待ったをかけたのだ。

 建設予定地は空軍の飛行空域ではなかったが、軍は近隣空域を飛行中の操縦士が誤って航路を離脱すると10秒ほどでタワーに衝突すると難色を示していた。

 軍ではないが、13年11月16日に、タワーに近い三成洞で地上38階の高層マンションにヘリコプターが衝突する事故が発生している。

 ヘリコプターはLGグループ所属で、タワーの建設が進む蚕室で役員を乗せて全州へ向かう予定だった。ヘリコプターはマンションの花壇に墜落し、機長と副機長が死亡した。

 飛行機は最低高度が決められているが、ヘリコプターは規定がなく、また着陸地点に近づいたため、高度を下げて衝突したとみられている。
ロッテワールド

ロッテワールド全景(他の写真を見る)

 ロッテワールドタワーは、プレオープン後もたびたび事故が起きている。

 プレオープン直後の14年11月、室内天井の構造物に50センチメートルの亀裂が見つかり、翌12月には水族館と地下駐車場で漏水が起きた。また、映画館で原因不明の振動が起き、公演会場で工事作業員1人が転落死した。

さらに周辺で道路陥没が相次いだため、ソウル市は水族館と映画館に営業停止命令を下し、工事の中断を通告した。

 タワーは事故やトラブルを繰り返しながらも17年4月のグランドオープンに漕ぎ着けた。

 グランドオープンに先立つ3月19日、ロッテの役職員と家族を招待して地上123階にある展望室のお披露目を予定したが、地下と展望台を結ぶエレベーターが招待客を乗せた状態で突然停止した。

 ロッテは3月22日に予定していた展望台のオープンを4月3日に延期した。

 建設から10年以上経過したビルでもトラブルが発生している。

温水配管が破裂し、摂氏100度超の熱水が地盤を突き抜けて…

 付近を走行していた車両の運転手が、フロントガラスを突き抜けた熱水を浴び、全身火傷。

 1998年に現代建設が建築したソウル広津区九宣洞のテクノマートプライムセンターで、11年7月に振動が発生。

 下層階にあるショッピングモールの客と従業員、中高層階のマンションの住民が避難する騒ぎがあった。

 建物を管理するプライム産業は11階の映画館で3D映画が上映されたために振動が起きたと話したが、専門家は地盤沈下または基礎構造物の破損が原因だろうと推測した。
ロッテワールドタワー近くのマンション事故

ロッテワールドタワー近くのマンションにヘリが突っ込む事故も(他の写真を見る)

 そもそも17階から38階の入居者も揺れを感じており、3D映画で高層ビル全体が揺れることなどあり得ない。

 18年12月には、ソウルのベッドタウン、京畿道高陽市一山東区で温水管が破裂する事故が起きた。

 韓国地域暖房公社高陽支社が管理する850ミリの温水配管が破裂して、摂氏100〜110度の熱水が地盤を突き抜けて吹き上がった。
九宣洞のテクノマートプライムセンター

現代建設が建築した九宣洞のテクノマートプライムセンターで振動が発生(他の写真を見る)

 付近を走行していた車両の運転手が、フロントガラスを突き抜けた熱水を浴び、全身火傷で死亡した。また重傷1人を含む33人が火傷を負って病院に運ばれた。

 今年8月の集中豪雨で、南西部の全羅道を流れる蟾津江(ソンジンガン)と南東部の洛東江(ナクトンガン)で堤防が決壊した。

 直接の原因は水位の管理ミスだが、洛東江の堤防が崩壊したとき、最大許容水位より1メートル低かったことがわかり、工事に欠陥があった可能性が浮上した。

 同様の事故は海外でも起きている。

ラオス政府は欠陥工事による人災だと主張したが…

 18年7月、ラオスのセピエン・セナムノイダムの補助ダムが決壊した。

 韓国大手のSK建設が、韓国西部発電、現地企業、タイの電力会社と合弁で建設を進めた水力発電用の大型ダムで、発電容量の90%をタイに輸出する計画だった。

 7月22日、補助ダムの上部が一部流出しているのが発見されたが、台風の影響による豪雨で復旧は進まず、翌23日、ダムの亀裂が拡大して決壊した。

 ラオス政府は死者40名、行方不明者66名と発表。ラオスで少なくとも1611世帯7095人の被災が確認され、下流のカンボジアでも被害が確認された。

 ラオス政府は欠陥工事による人災だと主張したが、SK建設は豪雨が原因だとして責任を転嫁した。

 2015年5月、共立メンテナンスグループが運営するドーミーインの海外1号店、ドーミーインプレミアムソウルカロスキルが開業した。

 土地の地権者が建物を建設し、土地建物を借り受ける方式を採用したが、工事が大幅に遅延したため確認したところ、地主が発注した工事業者は、ホテルはおろかビルの建設を請け負った経験がないことが判明した。

 共立メンテナンスは日系建設会社のツチヤコリアに相談し、地主が発注した工事業者とツチヤコリアによる事実上のJVで完成に漕ぎ着けた。
現地企業は追加工事や工期延長が多発して、最終的には日本系より高額に
ダム決壊

ダム決壊についてラオス政府は「欠陥工事による人災だ」と主張した(他の写真を見る)

 2010年9月に竣工したソウル日本人学校は、フジタが請け負い、施工管理はフジタが行なったが、実際の工事を行ったのはいうまでもなく現地の作業員である。

 韓国人作業員は、時間になると作業を中断して帰宅する。翌日、同じ作業員が継続すればまだ良いが、別の作業員がやってきて引き継ぎがないまま工事を行う例がたびたびあった。またビニールシートなどのカバーを除去せずに作業を続行するなど、やり直しを指示するケースが多々あったという。

 なんとか竣工に漕ぎ着けたが、室内プールでトラブルが発生して水泳の授業に支障が出るなど、現場の作業員に泣かされた。

 韓国に進出する日系企業は、日系のツチヤかフジタと現地企業から見積もりをとって発注先を決める例が多い。

 当初の見積もりは一般に現地企業の方が安いが、設計と計画に沿って施工を進める日系のツチヤやフジタと違い、現地企業は追加工事や工期延長が多発して、最終的にはツチヤやフジタより高額になるケースが多いという。

 韓国の建設作業員は設計図によらず、また測量機器等も使わずに目視による現場合わせで工事を進める傾向が強い。

 韓国の建設現場には「安全管理」という語は見られないが、死亡事故でもない限り報道されることは殆どない。

 歪みや変形、欠陥など日常茶飯事で、欠陥のない建物の方が珍しく、建設中の事故やトラブルも報道しきれないほど日常茶飯事なのだろう。

佐々木和義(ささき・かずよし)
広告プランナー。商業写真・映像制作会社を経て広告会社に転職し、住宅・不動産広告等のプランナー兼コピーライターを務めた。韓国に進出する食品会社の立上げを請け負い駐在員として2009年に渡韓。日本企業のアイデンティティや日本文化を正しく伝える必要性を感じ、2012年、広告制作会社PLUXの設立に参画し現在に至る。日系企業の韓国ビジネスをサポートする傍ら日本人の視点でソウル市に改善提案を行っている。韓国ソウル市在住。

週刊新潮WEB取材班編集

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