予備校講師が見つけた、東大&医学部の合格者に 共通する「本の読み方」

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仕事のために普段読書をしているが、なかなか効果を実感できないビジネスパーソンは多い。しかし一方で東大や医学部に合格した「頭のよい理系」は読書効率を最大化して、効果的に本を読んでいるという。

いったい何が異なるのか? 人気予備校講師として活躍していた犬塚壮志氏は、新著『理系読書』にて、「できる理系」の本の読み方には、ある共通点が存在すると語っている。犬塚氏にその理系の読書とはどんなものかを聞いた。
なぜ「理系」は難しい本を読める?

「できる理系の人って、どんな本の読み方をしてるんだろう?」

もともと理系ではあったのですが、受験勉強に取り組んでいたとき、学習参考書(以下、学参)を読むことが非常に苦手でした。読むのに時間がかかってしまう上に、すぐ忘れてしまう。

そのため、成績のいい理系の受験生がどのように教科書や学参を読んで、学力を伸ばしているのか、いつも不思議でした。

「読んでいる姿は全然見ないのに、なんであんなたくさん問題を解くことができるんだろう?」

このような疑問をいつも持っていました。ただ、社会人になり、予備校講師として多くの理系の受験生を受けもつようになって、この謎がやっと解けました。
「理系」の読書には、共通点があった

私はこれまで予備校講師として1万人以上の理系の受験生を指導してきました。彼らの学習法はさまざまでしたが、成績をグングン伸ばし、東大や医学部などの難関大学・難関学部に合格していく理系学生には共通した本の読み方があることに気づきました。

そして、その読書術は、ビジネスパーソンに欠かせないビジネス書や実用書の読書にも大いに役立つことも判明しました。受験生にとっての学参は、自分が理解できていない問題を理解し、テストで解けるようになるための武器です。

ビジネスパーソンにとってのビジネス書や実用書も、自分の足りない部分を埋めたり、自分が抱えている問題を解決したりするための武器といえます。

成績のよい受験生の学参の使い方を参考にすれば、ビジネスパーソンの読書の効果もより高められるというのも納得がいく話でしょう。それでは、「できる理系生」に共通する読み方とは、どんな読み方なのでしょうか?

ビジネスパーソンにも役立つ「3つのポイント」

「できる理系生」ほど、次の3つの読み方を身につけていました。

1.問題を解いてから学参や教科書を読む(=できない問題を明確にする)

2.最初のページから読まない(=必要なページから読む)

3.ノートにまとめない(=必要な箇所を抜き出し、使ってみる)

それぞれ具体的に説明します。まず、1.「問題を解いてから学参を読む」ですが、問題を解く前に学参を読まないということです。まずは問題を解き、自分が解けない問題は何なのか、自分に必要な情報は何なのかを明確にします。

そのうえで、2.「最初のページから読まない」です。そもそも、受験生は時間が非常に限られています。膨大な情報の載った学参をすべての教科で最初から最後まで一言一句すべて読んでいては、入試に間に合いません。

自分にとって必要なところだけをピックアップしてすばやく読む必要があります。それを実行する前提として、「問題を解いてから学参を読む」が重要になるのです。

最後は、3.「ノートにまとめない」です。学参の内容をノートにまとめると、それだけで満足してわかった気になります。ただ、実際には脳に定着しておらず、問題が解けるようにはなっていないのです。これはよくありがちな間違った学参の使い方です。

まとめるのではなく、必要なところだけを抜き出してノートにメモし、さらにその情報を使って実行に移すこと。つまり、問題が実際に解けるかどうかを検証します。このように、情報を「得る」だけでなく、「使う」ことで、脳に定着させているのです。

私の担当は化学ですが、東大理学部物理学科を卒業し、物理を担当している超人気講師も同じ方法を生徒に指導しています。ビジネスパーソンの読書についても、この1.〜3.がそれぞれ当てはまります。

・毎日の仕事や日常生活の中で、自分にとって欠けていること、解決すべき問題を正確に把握する

・そのうえで、欠けている部分にマッチする情報が載った本やページを選ぶ

・本は全部読んで内容を要約するのではなく、必要なところだけを抜き出し、そして現実世界で使ってみて、自分の知識やスキルとして定着を図る

実行することを前提にしたこのような読み方をすることは、ビジネスパーソンの読書にとっても非常に参考になるはずです。そもそも、3.の「使ってみる」前提の読み方のほうが、読書から得られる成果が高くなるのはなぜでしょうか?

「“読む”より“使う”」が最適な理由

このことはすでに脳科学的に証明されています。もともと脳は出力依存型です。しかも出力機会が多いほうが「これは大事な情報だ」と認識します。つまりアウトプットの有無で、自分にとって重要か、重要でないかを判断するのです。

したがって、「使う」ほうが、記憶の定着率は爆発的に高まります。学参やビジネス書などの本をたくさん読んで詰め込む「詰め込み型」よりも、本から抽出した情報を使ってみる「活用型」のほうが、知識の定着には効率がいいのです。

「読む」に時間をかけるより、「使ってみる」に時間を費やしたほうが、結局は短時間で情報をインストールできるということです。読む時間が短くなればなるほど「使ってみる」に割く時間が増えるので、問題解決を前提にしているなら、この読み方は合理的といえます。

こういった娯楽目的でない本を読む際に、「問題解決」というリターンを本から得られるリターンを最大化させるフレームワークを、「頭のいい理系」の本の読み方をベースにして開発しました。
読書を“超合理的”にする「3つのフレームワーク」

犬塚壮志著『理系読書』(ダイヤモンド社)

読書効率を最大化させるそのフレームワークが、以下の1.〜3.を繰り返し行っていく「超合理化サイクル」というものです。

1.読む――本の中から自分の問題解決に必要な素材(情報)を集めて、どんな実験を行うか計画を立てる。

2.やってみる――1.で集めた素材を使い、立てた計画に基づいて、現実世界で問題解決を試みる。

3.確かめる――試してみたことがうまくいったのか、いかなかったのか、検証する。人間相手の場合などは想定通りにいかないことも多々ある。うまくいかなかった場合、その結果を検証し、改善策を立てる。

自分にとって必要なところだけを素早く本からピックアップします。そして、すぐに自分にインストールし、使いこなせるようになる。さらに、その身につけたことがしっかりできてるかどうか、きちんと評価もする。

勉強家で多忙なビジネスパーソンが、読書でこの「超合理化サイクル」を活用すれば、たったの数カ月で著しい成長を遂げる受験生のような加速的な成長を、ご自身で実感できるはずです。

犬塚壮志(士教育代表取締役)

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