B29搭乗員を処刑した父…「戦争の業、私も背負う 」息子の決意

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市街地を見下ろす油山観音。住職による読経の後、敷地内にたたずむ4体の地蔵に克也さんはじっと手を合わせた。

冬至堅太郎さん

45年6月20日、西部軍司令部は軍律会議を経ず、米爆撃機B29の搭乗員8人を処刑した。前夜の福岡大空襲に関わった米兵ではなかったが、冬至さんは空襲で母を失った憤りから、志願して4人に軍刀を振り下ろした。戦後、自決を考えるも油山観音の当時の住職に諭されて思いとどまり、極東国際軍事裁判で死刑判決を受けた。

50年に減刑され、56年に出所した冬至さんは自宅庭に4体の地蔵を置き、後に小さな地蔵を加えた。あやめた米兵の慰霊と、4人にいたかもしれない子どもの健やかな成長を願ってしつらえた、と取材に語る父の姿を克也さんは覚えている。4体は冬至さんの死後、油山観音に託された。

ロバート・アスピナル曹長=深尾裕之さん提供

克也さんは「父は謝罪や後悔ではなく、自分が奪った命を一生背負うという気持ちを地蔵に込めた。父の業を私も負っていると感じる」と話す。法要への参加も、元戦犯の息子であることを隠さないのも、そうした思いからという。

法要は日本に墜落したB29を調査する大分県の深尾裕之さん(49)の呼び掛けで実現。処刑された8人の1人、ロバート・アスピナル曹長=当時(25)=の息子ラリーさん(76)が寄せた言葉も紹介された。

快活で人懐こい性格のアスピナル曹長は、航空機整備士として訓練を受けてB29の搭乗員に。だが民間人を対象にした空襲への参加を好まなかった。そんな父の姿をつづった息子は、メッセージをこう結んだ。

≪戦争は善良な人々を敵味方に分けて恐ろしいことをさせる。だから過去のことに罪悪感を持つ必要はありません。戦争という悲劇の記憶を、平和という困難な仕事をする意欲に変えていきましょう≫

多くの犠牲を強いた戦争。その記憶の風化を克也さんは危惧する。「何の恨みもない人たちが命を奪い合う戦争そのものが罪悪だ。過去の事実と向き合い、未来のための礎にしないといけない」 (久知邦)

市街地を見下ろす油山観音。住職による読経の後、敷地内にたたずむ4体の地蔵に克也さんはじっと手を合わせた。

冬至堅太郎さん

45年6月20日、西部軍司令部は軍律会議を経ず、米爆撃機B29の搭乗員8人を処刑した。前夜の福岡大空襲に関わった米兵ではなかったが、冬至さんは空襲で母を失った憤りから、志願して4人に軍刀を振り下ろした。戦後、自決を考えるも油山観音の当時の住職に諭されて思いとどまり、極東国際軍事裁判で死刑判決を受けた。

50年に減刑され、56年に出所した冬至さんは自宅庭に4体の地蔵を置き、後に小さな地蔵を加えた。あやめた米兵の慰霊と、4人にいたかもしれない子どもの健やかな成長を願ってしつらえた、と取材に語る父の姿を克也さんは覚えている。4体は冬至さんの死後、油山観音に託された。

ロバート・アスピナル曹長=深尾裕之さん提供

克也さんは「父は謝罪や後悔ではなく、自分が奪った命を一生背負うという気持ちを地蔵に込めた。父の業を私も負っていると感じる」と話す。法要への参加も、元戦犯の息子であることを隠さないのも、そうした思いからという。

法要は日本に墜落したB29を調査する大分県の深尾裕之さん(49)の呼び掛けで実現。処刑された8人の1人、ロバート・アスピナル曹長=当時(25)=の息子ラリーさん(76)が寄せた言葉も紹介された。

快活で人懐こい性格のアスピナル曹長は、航空機整備士として訓練を受けてB29の搭乗員に。だが民間人を対象にした空襲への参加を好まなかった。そんな父の姿をつづった息子は、メッセージをこう結んだ。

≪戦争は善良な人々を敵味方に分けて恐ろしいことをさせる。だから過去のことに罪悪感を持つ必要はありません。戦争という悲劇の記憶を、平和という困難な仕事をする意欲に変えていきましょう≫

多くの犠牲を強いた戦争。その記憶の風化を克也さんは危惧する。「何の恨みもない人たちが命を奪い合う戦争そのものが罪悪だ。過去の事実と向き合い、未来のための礎にしないといけない」 (久知邦)

本当にそう思う

もし現代で人を殺めたら殺人罪だが、戦時中は英雄扱い
国を家族を守るという大義名分で、善良な人々も殺人に赴くのが戦争

今、戦争がおき、家族が死んだら、やはり敵国へ攻撃にいくだろう
成功して敵国の人を殺せば、殺された方は復讐心を燃やし、わが国へ攻撃をはじめる
負の無限ループに陥る

だからこそ、戦争はすべきではないし、そのために国連もできたはずだが、最近はきな臭くなっている

できれば、世界各国の首脳たちは、戦争の無残さを再認識してほしい

きちんと償いの心で向き合う人もいれば、全てを忘れてしまったかのように振る舞える人もいる。そんな中、双方ともに理解し合える関係性になれたのは素晴らしい。世界のどこかでは、こんな状況が繰り返されているところがまだあるんだろうな。
何よりも平和が一番大切だと思う。

60を越えた私達の親世代がかろうじて戦争体験者。
戦争中に子どもだった頃の話をたまにしてくれはしましたが 実際に経験もしてない私達はどうやって伝えればいいのか。
戦争は残酷で悲惨で…言葉だけで知ったつもりになっています。
命の尊さ 平和の大切さ もっともっと子ども達に伝えるべきなのでは。
近現代史を学校ではサラーっとしか教えない 残酷な事は子どもには教えないのは疑問に思います。戦争をゲームで知るなんて事でいいのだろうか。

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