韓国、整形手術の恐るべき実態

韓国は、「整形共和国」という有り難くない別名をいただいている。それだけ整形手術が一般人にまで普及しているのは否めない。

また、その技術力を頼って外国人、とりわけ日本や中国、アジアの近隣諸国から患者が押し寄せて来る。外国人に医師を斡旋する国際医療コーディネーターも活躍している。

しかし、その裏で「工場式幽霊手術」という手法が取られているのはご存じだろうか。

「工場式」は、工場でモノを大量生産するように整形手術を行うこと。

「幽霊手術」というのは、最初にコンサルティングを受けた経験豊富な医師ではなく実際の手術はあまり経験のない医師が替え玉で手術をすることを意味する。

中には医師免許を持っているか怪しい素人の医療関係者もいるようだ。

工場式と幽霊手術が合体したのが工場式幽霊手術で、大きなオペ室に10以上の作業台を並べ、手術台と手術台はカーテンで仕切りをしただけ。患者を麻酔で眠らせた後、経験の浅い医師が一斉に手術を行う。

工場式幽霊手術はこれまで様々な医療事故を起こしてきた。そのため、こうした危険な手術に警鐘を鳴らす医師も現れている。

例えば、大韓整形外科医師会の元法制理事キム・ソンウン院長は、整形外科で行われている世にも恐ろしい「工場式幽霊手術」の実態を人々に知らせようと、先鋒に立って活動している。

その活動の一つに今のご時世にあったユーチューブ活動も含まれている。

彼によれば、韓国での「工場式幽霊手術」は、すでに組織的で体系的なシステムになっているという。

ブローカーを通じて患者を供給してもらった整形外科医が、幽霊手術で患者を死亡させたり、障害や脳死にさせたりするケースが後を絶たないという。

しかし、そのよう事件が発生した場合でも、あたかも真っ当な施術をしたかのように書類を偽装してしまう。こうなると被害者は簡単には太刀打ちできない。

訴訟に発展するようなケースでも、病院側が数億ウォン(数千万円)のキャッシュで口封じすることもあるという。

綺麗になりたい女性の心につけ込む整形外科医は手術料が高く莫大な現金を蓄積している。そのため、有名法律事務所と契約していたり検察、裁判官に鼻薬を利かせたりすることも可能だという。

完璧な犯罪カルテルまがいのシステムが出来上がってしまっているのだ。

また、2005年に、それまでの医療広告を禁止する措置に対して違憲判決が下されたことも被害拡大に一役買っている。

これ以降、医療広告の規制が解かれ、美容整形業界が爆発的に成長した。同時に整形被害も増大したのである。

こうした被害を未然に防ぎたいと、キム氏は今年5月7日、青瓦台(大統領府)に「幽霊手術殺人を止めるため、整形手術死亡被害者の数を把握してください」という国民請願を提出した。

しかし、1か月間で20万人の同調者を得ることができず、残念ながら大統領府からの返事はもらえなかった(20万人以上の署名が集まれば大統領府は何らかのアクションを起こさなければならないことになっている)。

とはいえ、韓国の整形手術の実態や保健当局の穴だらけの管理監督の問題点が白日のもとに晒されたことで、韓国内で話題を集めた。

キム院長がこうした医療事故に関心を持ち始めたのは、2003年、二重(ふたえ)手術と鼻の手術を受けた女子高生が脳死状態に陥り、その後死亡した事件で真相調査に参加したことからだった。

この過程で衝撃的な犯罪手術の実態を知り、その問題点を公にしようと思ったという。

整形手術の途中で患者が死亡または重体になる事例は今現在もかなりの数が報告されている。今年だけでも例えば次のようなケースが表面化している。

今年1月、香港財閥3世のボニー・エビタ・ロー(女)氏が、ソウルの某病院で脂肪吸引などの手術途中で死亡した。

5月にも顔面の輪郭形成術(俗に「小顔整形」)を受けていた20代の患者が重体になる事故が発生した。

また、4月にはソウルの整形外科で手術を受けた後、手術や処方薬の副作用に苦しんでいた30代の女性が自殺した。

この女性は、自分が手術を受けたいと言った箇所だけでなく、他の部位まで勝手に手術が行われ鬱になっていたという。
news.yahoo.co.jp/articles/ee7cbbb1f4df736eda0c1a23eb66c440d7f18edd
また、少し前では、故クォン・デヒ(男)氏の死亡事件は、整形外科の工場式幽霊手術の実態が世間に如実に晒された事件として有名だ。

2016年に大学生だったクォンさんは、ソウルの某整形外科で顔面の輪郭形成術を受けた後、重体となり死亡した。

当時、警察が確保したオペ室の監視カメラには衝撃的な映像が映っていた。

手術の途中で医師や麻酔医が出て行ってしまった手術室には、致死量を超える血を流しているクォンさんが残されていた。

クォンさんは止血処置を受けることなく、准看護師がただ床に滴り落ちる血をモップで拭いている様子などが映っていたのだ。

今回、キム氏の大統領府に対する国民請願は実らなかったが、メディアの関心は間違いなく集めた。

イ・ジェミョン京畿道知事を動かしたのである。

イ知事は、6月8日、フェイスブックにキム元理事の医療犯罪を訴える記事をリンクし、「オペ室の監視カメラについては公共病院は即施行し、義務化する法律をいち早く制定すべし」という題の文章をアップした。

今回、大統領府に請願を出したキム元理事は、日本の皆さんの中にもご存知の方がいるかもしれない。

2013年に整形外科で女子高生が死亡した事件を調査して「幽霊手術」の現状を世に知らしめたため、名誉棄損などの容疑で起訴されているからだ。

第1審では「シロ」と出たが、検察の控訴により現在第2審裁判が行われている。

崖っぷちに立たされているキム氏は、ドクター・ヴェンデッタというユーチューブチャンネルを運営している。参考までにリンクを記す。

(https://www.youtube.com/channel/UCcAr8jkpscsMfSeaNYzJwNg)

アン・ヨンヒ

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