横田滋さん死去…朝日新聞の猛省なき追悼の言葉 に怒り! 真っ当な主張に違和感を覚える過去の 許しがたい「社説」

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【日本の選択】

北朝鮮に拉致された横田めぐみさん=失踪当時(13)=の父で、拉致被害者家族会初代代表の横田滋さんが5日、お亡くなりになった。享年87。心よりご冥福を申し上げるとともに、一人の言論人として拉致被害者を奪還できなかったことをおわび申し上げる。

滋さんは常に穏やかな表情でありながらも、一貫して拉致被害者を取り戻すために闘い続けた闘士であった。

朝日新聞は7日の「横田滋さん死去 悲劇を繰り返させまい」と題する社説で次のように説いた。

「この悲劇を繰り返してはならない。北朝鮮の非道さを非難するとともに、日本政府には問題の解決へ向けた有効な方策を急ぐよう強く求める」

また、6日の「天声人語」では、滋さんが常にくしを持ち歩いた逸話を紹介している。滋さんが肌身離さず持ち歩いていたくしは、めぐみさんが拉致される前日に滋さんの誕生日を祝ってプレゼントしたものであった。めぐみさんは、滋さんの誕生日の翌日に拉致されてしまったのだ。

文章を読んだだけでは、朝日新聞の「社説」にも、「天声人語」にも、憤りを感じる人はいないだろう。社説で書かれていた北朝鮮を非難する思いは共有できるし、一刻も早く拉致問題を解決しなければならないとの主張にも異を唱える人は少ないだろう。

また、めぐみさんの父を思う優しさと、父親として何としても娘を奪還したいとの思いを感じさせる逸話も否定すべき点はない。

だが、私は過去の朝日新聞の許しがたい「社説」を覚えていたために、こうした真っ当な主張に強烈な違和感を覚えずにはいられなかった。どうしてかねてより、こうした主張を繰り返してこなかったのだとの怒りすら感じた。

忘れもしないのは1999年8月31日の朝日新聞の社説である。「『テポドン』一年の教訓」という題の社説で、朝日新聞は日本側に対し、「人道的な食糧支援の再開など、機敏で大胆な決断をためらうべきではない」と前置きして、次のように主張していた。

「日朝の国交正常化交渉には、日本人拉致疑惑をはじめ、障害がいくつもある」

拉致が「障害」であるとの表現に、私は社説執筆者の酷薄さを感じずにはいられなかった。拉致された被害者は、何か悪事を働いたわけではない。偶然、その場に居合わせたために拉致されたのだ。他国の暴力によって同胞の人生が完全に狂わされたことに対する憤りと同情の念、必ず取り戻さねばならぬという情熱、そういった思いを僅かも感じさせないのが「障害」という表現だった。

いくら同じ朝日新聞の執筆者とはいえ、滋さんの逝去を悼む気持ちを否定するつもりは毛頭ない。だが、朝日新聞が過去に拉致被害者のご家族にどのような態度を示してきたのか、この部分を真摯(しんし)に反省すべきなのではないか。猛省なき追悼の言葉はあまりに空虚である。

■岩田温(いわた・あつし) 1983年、静岡県生まれ。早稲田大学政治経済学部政治学科卒業、同大学院修士課程修了。拓殖大学客員研究員などを経て、現在、大和大学政治経済学部政治行政学科准教授。専攻は政治哲学。著書・共著に『「リベラル」という病』(彩図社)、『偽善者の見破り方リベラル・メディアの「おかしな議論」を斬る』(イースト・プレス)、『なぜ彼らは北朝鮮の「チュチェ思想」に従うのか』(扶桑社)など。

アサヒは昔、北朝鮮を「地上の楽園」と
持ち上げていて
今でも一貫して北朝鮮の味方ですよね。
「拉致問題」をありえない事として
散々、解決を邪魔してきた親玉のような
アサヒが今更、横田さんの味方のような
記事を書かないでほしい。

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