「防護服を着るときは涙が出る。精神が壊れてい るかも」 新型コロナ担当看護師の胸中 唯一の原動力は患者さんの回復する姿

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新型コロナウイルスの感染拡大で医療崩壊が危惧される中、福井県内の最前線の現場で働く医療従事者は何を思い、任務に当たっているのか―。
感染症指定医療機関で対応に当たっている看護師に電話取材した。看護師は「防護服を着るときは、つらくて涙が出る。精神が壊れているかもしれない」と胸の内を吐露。
感染の恐怖から、一睡もできずに夜勤に臨むこともあり「私たちの命の保証は誰がしてくれるのか」と訴えた。唯一の原動力は、回復していく患者の姿を見ることという。

防護服は暑くて苦しい。脱ぐときに感染しやすく、ウイルスが付着している外側を触らずに脱がなければならない。服に覆われていない首筋は絶対に触ってはいけない。

感染リスクを下げるには、なるべく脱がないこと。4〜5時間着続けることもある。トイレの回数を減らすため、水分をなるべく取らないようにしている。

ウイルスを通しにくいN95マスクは息がしづらく、1時間ほどすると頭が痛くなる。痛み止めを飲んでいる人もいる。つらい。

集中治療室(ICU)に患者さんが入ってくるときは物品や薬の要求など医師からの指示が飛び交うという。ただ、患者が入った後は、ICUの病室は呼吸器など機材の音しかない静かな空間だと聞いた。患者さんは話すことができず、看護師同士も感染を避けるため互いに話さないからだ。

ICUではとにかく人手がかかるという。患者さんの床ずれ防止のために、体の向きを変えるだけでも複数の人間が必要になる。人工呼吸器の挿管や抜管はせきが出やすいし、口腔ケアも含め常に感染の恐怖と闘っている。

眠れない夜が多い。寝不足のまま仕事に行くこともある。普段は自宅に帰る人が、感染を恐れ病院に泊まるようになった。家族から「帰って来ないで」と言われている看護師もいる。恋人に会ってもらえなくなった人もいる。私自身も「自分は無症状感染者」ぐらいの意識で暮らしている。

防護服に着替えるときは本当に落ち込む。更衣室で同僚は「もういやだ」と言った。一緒に泣いた。一般病棟の同期から心配のメールが来ると、心が折れそうになる。精神が壊れるってこういうことかと思う。

肉体も精神もギリギリの中で、私たちには万全の感染防止対策が求められている。ただ自信はない。看護師の感染者が出たが、「やっぱり」という感じで驚かなかった。私たちの命の保証は一体誰がしてくれるのだろうか。

患者さんがいる限り、私たちは病院に行く。患者さんは何も悪くない。悪いのはウイルスだと思って、仕事に当たっている。

インフルエンザと違って、新型コロナは発症してから一気に症状が悪化するケースがある。怖い病気だ。そういった患者さんを見ているからか「花見に行った」「パチンコに行った」という話を聞くと本当に怒りが湧いてくる。「家にいて」と強く思う。

福井県で新型コロナの患者が確認されてから1カ月がたち、最近では退院する人、症状が回復していく人も増えてきた。そういった患者さんの姿が、私たち看護師の明日の原動力になっている。

福井新聞社

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